Case Studies 導入事例

当社は、税理士法人でありながら経営コンサルの視点も併せ持ち、「お客様の利益向上に繋がる税務・会計サービスであるべき」というコンセプトのもと、自社で運営する、お客様と情報共有を行えるクラウドサービスの提供まで含めた「税務・経営・DXサービス」を一体で提供できるところに特長があります。通常、税理士事務所が行う1ヶ月に一度の会計帳簿への記帳だけでは、資金の流れが見えず、お客様側で経理の状況を即時把握することがなかなか難しいので、経営改善の一環として月一の帳簿記帳だけでなく、日々の経理業務の代行も請け負っています。例えば請求書がきたら振込データを作って銀行のインターネットバンキングで振込予約の登録をしたり、資金繰りデータを作成したりしながら、お客様に日々の入出金状況を含む経理報告を、当社が無料で提供するクラウド上でほぼリアルタイムに行っています。

お客様が見たいデータはクラウド上から即時ダウンロードして、いつでも確認できる仕組みにしているのですが、毎日データを連携するにあたり、仕訳登録は逐一やらないと作業が追い付かなくなるので、以前はお客様からインターネットバンキングのログイン情報をいただいて直接口座情報を見に行ったりもしていました。しかし、インターネットバンキングはログインまでの手順も各銀行で違いますし、データの見方も異なるので、複数のお客様を抱えて日々その違いに対応しながらデータを取りに行くのは非常に大変な作業でした。例えば項目の並び順も「入金・出金」だったり「出金・入金」だったりと銀行によって異なる上に、明細データのフォーマットも違い、さらに、ログインするまでがとにかく面倒で時間もかかるので、そこの非効率さに課題を感じていました。

またお客様によっては1社で5つの銀行口座を利用されていたり、複数のお客様が同じ銀行をお使いだったりすると、「今どのお客様の口座を見ているんだっけ？」と混乱してしまうこともあり、こうした日々の複数銀行口座の明細取得にかかる煩雑な作業をなんとかシンプルに、もっと効率化できないかと考えたことが「MoneyLook BIZ」を探すきっかけでした。

ログインの手間という課題に加え、経理代行業務においては、基本的に毎日、口座の入出金明細データを取ってくる必要があるのですが、1日分だと2～3明細しかないことも多く、CSVデータでダウンロードする方が手動で転記するより手間になるという課題もありました。1ヶ月に一度の会計帳簿記帳だけであれば、明細が最低でも30日分はあるので、効率性からみてもCSVダウンロードでも特に問題はないのですが、日々の経理代行業務においては「手入力での転記はしたくない、かといってCSVダウンロードも非効率」という、どっちつかずの状態で困っていました。「どうすれば日々の複数銀行口座の明細取得を手間なく自動化できるか？」という経理のアウトソーサーとしての命題を解決するために、探して出会ったのが「MoneyLook BIZ」でした。

日々の経理代行業務において「MoneyLook BIZ」のAPI連携機能を使うことで、お客様の複数口座の入出金2～3明細を手間なく自動で取得できるようになりました。その後、「MoneyLook BIZ」で取得した入出金明細データを、自社で開発したプログラムに取込むことで、お客様の求める財務関連資料が完成し、さらに会計システムの取込みフォーマットに合わせたデータを作ることができます。「MoneyLook BIZ」の導入により、入出金明細の自動取得から経理財務関連資料の作成、仕訳登録まで一連の経理代行業務を大幅に効率化することができました。

当初、自分達で銀行データを直接API連携で取得できないかと思っていろいろ調べたところ、「電子決済等代行業(電代)」^※1という資格を取得しないと対応できないということがわかりました。そうなると当社のような事業者が、そのためだけに資格を取ることは得策と思えず、また銀行とAPI連携で直接繋ぐためのセキュリティを確保した設備投資も必要になってくるので、自社での対応は逆に非効率と判断しました。そこで銀行の入出金明細データをAPI連携で取得できるサービスを探して「MoneyLook BIZ」に辿り着きました。他の電代事業者のサービスと比較しても、価格がびっくりするほど安かったので、すぐに「MoneyLook BIZ」を試してみよう！ということになりました。当社が必要としていた機能がリーズナブルに利用できることがわかり、驚きとともに嬉しかったのを覚えています。使わない機能がいろいろついて高価になるより、シンプルに求めていた機能だけを安く提供してくれる「MoneyLook BIZ」の存在はとてもありがたかったですね。

自分達が求めている条件をすべて満たしているだけでなく、リーズナブルな価格で提供されていたので、これを見つけてからはもう「MoneyLook一択だ」と思って導入を決めました。当社の場合、使える機能がパーツとしてあれば、数日でデータ加工プログラムを作成できるので、自分達の使いやすいものを作って利用したいというニーズに「MoneyLook BIZ」がピッタリ合致したという感じです。

※1:電子決済等代行業者は、預金者の委託を受けて、電子情報処理組織を使用する方法により、銀行から口座に関する情報を取得し、この情報を預金者に提供する事業者。国内で電子決済等代行業を営むには、銀行法等に基づく登録が必要となる

経理代行業務は、一般的にはお客様から紙の領収書や請求書などをいただいて、アウトソーサー側が手動で会計ソフトに入力して仕訳データを登録、というのが従来の対応ですが、今はそういう手入力の時代ではないと思っています。当社が無料で提供している「JNEXTクラウド」は、お客様がデータ入力すると、自動で「給与明細」や「小口現金」などの資料が簡単に作れるサービスなのですが、データはクラウド上にどんどん蓄積していきます。当社ではボタン一つでそれを会計用のデータとしてそのまま取り込めるようにしているので、お客様側で給与明細等の作成が無料でできるのと同時に、経理を請け負う当社側の内部コストも抑えることができる仕組みです。

一方で銀行入出金明細はこれまでの、通帳のコピーを送ってもらう、インターネットバンキングから出力したファイルを転送してもらう、などといった旧来の方法から、インターネットバンキングのアカウントをお預かりして当社側で入出金チェックをして会計システムに転記する方法に変わってきています。ここでの業務効率化を「MoneyLook BIZ」で実現することができました。

アウトソーサー側での作業が手入力だと、お客様が増えて業務ボリュームが増えた場合、どうしても人手を増やさないと対応が追い付かなくなるので利益を圧迫することになります。かといって、お客様への価格転嫁は絶対にしたくないので、「ではどうすべきか？」と考えた時に、請け負うお客様の数が増えても当社側で人を増やさずに対応できるようシステム化することで解決を図りました。お客様にも利用するメリットを感じていただきながら、アウトソーサーとしてデジタルで正確なデータのやり取りと業務効率化の双方を実現できるようDXフローを構築しています。

「給与明細」など汎用的なものだけでなく、「毎月の作業を効率化するために大掛かりなシステム導入まではできない、でもExcel作業の手間と時間をなんとかしたい」といった、お客様によって異なるニーズにちょっとしたプログラムを作って提供するなど、課題解決のサポートもしています。ニーズや課題をヒアリングしたらすぐにプログラムが作れるので、お客様の業務効率化・DXを実現するために「こういうツールを使ったら解決しますよ」という経営改善・業務サポートの一環で、これからもお客様視点で小回りが利く便利なサービスを提供し続けたいと思っています。

今は、API連携でちょっとしたことならシステム会社に頼まなくても、自分達で「ローコード・ノーコード開発」でデータ加工プログラムやそれを共有するクラウドサービスが作れる時代になってきていると思います。そのことにまだ気が付いていない企業も多いと思うので、会計まわりの業務効率化を図りたい企業は、銀行入出金明細が自動で取得できる「MoneyLook BIZ」をパーツとして活用することを考えてみても良いかと思います。もちろん、本業ではないプログラム開発で、すべて自前で作るのが良いわけではありませんが、自分達に必要なものを「MoneyLook BIZ」を活用しAPI連携で取り込んで作れる、ということを知ると、少ないコストで大きな業務効率化の効果を生み出せると思います。

特にインターネットバンキングに毎日複数回ログインしてデータを取得されている方は、その手間をなんとかしたいと感じていらっしゃる方も多いのではないかと思います。自社では対応が難しい「銀行入出金明細の自動取得」という機能だけを、CSVやAPI連携といった利用しやすい形で安く提供している「MoneyLook BIZ」というサービスがあることを知れば、そのデータをちょっとした知恵と工夫で活用し、さまざまな業種・業態で銀行入出金明細に紐づく経理業務の省力化とコスト削減が可能になると思います。クラウドサービスの普及によるデジタル化が進むにつれ、当社のように自社で簡単なプログラム開発まで行うというところも増えていくと思いますが、そうなった時にも「MoneyLook BIZ」は経理DXに欠かせない便利な機能だと思います。